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WordPressだからできるECサイトのコンテンツマーケティング

WordPressだからできるECサイトのコンテンツマーケティング

WordPressで構築されたECサイトでは、商品販売だけでなく、ブログ・特集ページ・お客様の声など豊富なコンテンツを用意することができるのが大きな特徴と言えます。

この記事では、すでにWordPressでECサイトを運営しているものの「もっと売上を伸ばしたい」「リピーターを増やしたい」「SNSだけではなく検索経由での集客を強化したい」という方に向けて、コンテンツマーケティングを活用するための具体的な方法やポイントを解説していきます。運営上で直面しがちな課題とその解決策にも触れながら、WordPressを活用したECサイト運営の可能性を探っていきましょう。

WordPressによるコンテンツマーケティングのメリット

SEOへの強みと情報発信のしやすさ

WordPressはもともとブログシステムとして誕生したため、コンテンツを追加・編集しやすい構造を持っています。投稿画面で記事を作成し、カテゴリーやタグを設定するだけで、サイト内の情報整理が自動的に行われます。こうした仕組みは、コンテンツマーケティングにおいて必須となる「定期的な記事更新」をスムーズに進める上で大きな利点となります。

また、検索エンジンから評価されやすいHTML構造がデフォルトで備わっているため、比較的初心者でもSEOを意識したサイト構築が可能です。さらに、SEOプラグイン(All in One SEOやYoast SEOなど)を導入することで、メタタグの設定やサイトマップの生成が自動化されるため、コンテンツ制作そのものに集中しやすいのもポイントです。検索エンジン対策において不可欠なテクニカルSEOの要素を、WordPressがある程度標準サポートしてくれるのは非常に大きなメリットと言えます。

運営コストと将来の拡張性

コンテンツマーケティングの成果は、短期的に大きな変化が出るわけではなく、中長期的に積み上げていくことが重要です。WordPressは基本的に無料で利用でき(※サーバーや独自ドメインの費用は別途)、必要なときに必要なプラグインを導入する形で拡張できます。大掛かりなシステム開発を行うよりも初期コストが抑えられ、運用の柔軟性も高い点は大きなメリットです。

将来的にEC機能を追加したり、会員限定コンテンツを充実させたりと、事業規模の拡大に合わせてサイトを育てていくことも可能です。最初は小規模なブログや情報サイトとしてスタートし、コンテンツ数やユーザー数の増加に応じてサーバーをグレードアップし、追加プラグインで機能を強化していくという段階的な運用もしやすいのです。

コンテンツマーケティングの重要性

コンテンツを活用したECサイト運営の意味

ECサイトと言えば、商品の一覧ページとカート機能さえあればひとまず「買える」形が整います。しかし、それだけでは差別化が難しく、検索エンジンやSNSでの集客力も限られてしまいます。そこで重要になるのが「コンテンツマーケティング」です。コンテンツマーケティングとは、ユーザーが求める情報を提供することで、ブランドや商品の魅力を伝え、最終的には購買やファン化につなげる戦略を指します。

ECサイトの場合、単に商品を陳列するだけではなく、ブログ記事で商品の開発ストーリーを伝えたり、使い方のコツやアレンジ方法を紹介したり、あるいは専門家のインタビューを載せたりすることで、ユーザーの検索ニーズに合わせた情報を提供することが可能です。これにより検索結果での露出が増えるだけでなく、サイト上での滞在時間も長くなり、商品への理解や信頼が深まりやすくなります。

検索エンジンやSNS、リピーター獲得への効果

検索エンジンでの効果

コンテンツマーケティングを展開する最大のメリットは、検索エンジン経由で新規顧客を獲得しやすくなる点にあります。たとえば、ユーザーが「自宅で簡単に使えるエスプレッソマシン」と検索し、あなたのECサイトに設置してある「エスプレッソマシンの選び方と自宅カフェの楽しみ方」というブログ記事にたどり着いたとしましょう。興味を持ったユーザーは、そのまま商品ページに移動して購入を検討します。結果として、検索流入からスムーズに売上へとつながるわけです。

また、SNSでもコンテンツの存在は重要です。FacebookやInstagram、X(旧Twitter)などで拡散されるのは、商品写真だけよりも「読み物として価値があるコンテンツ」のほうが多くの人の目に留まりやすい傾向があります。さらに、役立つコンテンツを継続的に発信していくことで、あなたのECサイトを「このジャンルの情報源」として記憶してもらい、リピーターになってもらう可能性が高まります。購入頻度が高くない商品であっても、ユーザーにとって役立つ情報を発信し続ければ、いざ購入したいタイミングで思い出してもらうきっかけになるのです。

運営上の課題とコンテンツの役割

「忙しくてブログを書く時間がない」「SNS更新と在庫管理、顧客対応の両立が難しい」というのは、多くのEC事業者が抱える悩みの一つです。コンテンツマーケティングには時間と手間がかかる側面があるため、つい後回しになりがちです。しかし、コンテンツを増やさなければ検索エンジンからの流入が増えにくく、リピーターを獲得する機会も減ってしまいます。

そこで、まずは「どのようなコンテンツを作るべきか」を明確にし、運営体制を整えることが大切です。自社の強みや商品の特徴、顧客のニーズや検索キーワードなどを総合的に考えながら、優先度の高いコンテンツテーマを設定しましょう。ブログ記事だけでなく、商品の使い方動画や取扱説明書をPDFで公開する、問い合わせの多い質問をFAQページでまとめるなど、形式は多種多様です。大事なのは「ユーザーが知りたい情報を必要なタイミングで提供する」という点に尽きます。

実践方法

おすすめのコンテンツテーマ例(業界別の事例)

コンテンツのテーマを考える際には、まず自社が扱う商品の特徴や顧客層を軸にすることが大切です。たとえばアパレルを扱うECサイトであれば、「季節のファッションコーデ術」「商品の素材や産地に関するストーリー」「洗濯やお手入れのコツ」などが考えられます。一方、食品を扱うサイトなら、「レシピ紹介」「栄養や健康に関する情報」「生産者インタビュー」などが良いでしょう。

実際に運営しているECサイトの中には、商品とは直接関係ないように思えるコンテンツで集客に成功している例もあります。たとえばアウトドア用品のサイトが「キャンプ場レビュー」や「初心者向けのキャンプノウハウ記事」を充実させることで、検索流入を増やし、最終的にテントや寝袋などの購入につなげているケースなどです。こうした形で、ユーザーが求める情報を先回りして提供することが、コンテンツマーケティングでは重要になります。

キーワード選定・SEO対策の基本ステップ

コンテンツを作る前に必ず押さえておきたいのが「キーワード選定」です。闇雲に記事を書いても、狙ったユーザーが検索してくれなければ意味がありません。基本的なステップは以下のとおりです。

  1. 商品や業界に関係するビッグキーワードの洗い出し

    例:アパレルなら「ファッション」「コーディネート」「季節の着こなし」など。

  2. 関連するロングテールキーワードの調査

    ツール(Googleキーワードプランナー、Ubersuggestなど)を使って、検索ボリュームがある程度あり、かつ自社の商品訴求と関連性が高いキーワードを探します。
    例:「春 ファッション トレンド」「コットンシャツ 洗い方」「ハイキング 初心者 持ち物」など。

  3. キーワードの優先順位付け

    自社の強みや在庫状況、季節性などを加味して、まずは早く成果が出やすいキーワードからコンテンツを作成することが多いです。

  4. コンテンツ構成の作成

    タイトルや見出し(H2、H3など)にキーワードを適度に盛り込みながら、ユーザーに役立つ情報を整理していきます。ただし、無理やりキーワードを詰め込むと読みづらくなるため注意が必要です。

  5. 公開後の分析と改善

    記事を公開したら、Google Search Consoleなどで順位やクリック率をチェックし、改善を重ねていきます。検索ニーズの変化に合わせて、記事を更新することも大切です。

コンテンツ更新の頻度や運用体制の考え方

どれだけ優れたコンテンツを一度に投入しても、更新が滞ると検索エンジンからの評価やユーザーの訪問頻度は下がってしまいます。理想を言えば、週に1~2回は新規記事を追加できると望ましいですが、実際の運用リソースによって厳しいことも多いでしょう。

そこで、運営体制として以下のような工夫が考えられます。

  • 外部のライターや制作会社に協力を依頼する
    自分では書けない専門性の高い記事や、取材が必要なコンテンツなどは、プロに任せるのも一つの選択肢です。
  • 社内スタッフの分業体制を作る
    在庫管理や顧客対応、SNS更新など、多岐にわたる業務がある中で、一人がすべてを負担するのは困難です。記事の執筆担当、編集担当など役割を明確に分けると進行しやすくなります。
  • 少ない頻度でも質の高い情報を発信する
    毎日更新できないなら、月1更新でも構いません。しかし、その代わり1記事あたりの内容を充実させて、検索エンジンに価値を認めてもらうことを目指します。

また、リピーター向けにはメルマガやSNSで「新しい記事を公開しました」といったアナウンスを行うのも有効です。せっかく苦労して作ったコンテンツがあるなら、多方面に拡散して認知度を高めましょう。

具体的なツール・プラグイン紹介

コンテンツマーケティングに役立つプラグイン・ツール6つ

SEO対策プラグイン

WordPressでのSEO対策には、以下のようなプラグインが代表的です。

All in One SEO

もっとも歴史が長いSEO系プラグインの一つ。メタタグの設定、XMLサイトマップの生成、ソーシャルメディア用タグの設定など、一通りの機能を網羅しています。設定画面も比較的わかりやすく、初心者でも使いやすいのが特徴です。

Yoast SEO

All in One SEOと並んで有名なプラグイン。記事作成画面で「キーワード密度」や「見出し構成」「可読性」などをリアルタイムにチェックできるのが強みです。緑色(Good)の評価を目指しながら記事を整えることで、SEOに配慮したコンテンツが作りやすくなります。

これらのプラグインを導入する際は、不要な機能をOFFにするなど、サイトの表示速度に影響が出にくいようにカスタマイズすることも大切です。また、設定項目が多いぶん、正しく設定しないと逆にSEO効果を得られない場合もあるため、初期設定ガイドなどを参考に慎重に進めると良いでしょう。

EC運用プラグイン(Welcartとその拡張機能など)

Welcart

日本語対応かつ機能が充実しているのが「Welcart」です。日本国内の商習慣にあわせた設定がしやすい点と、開発元が日本企業のためサポートも受けやすい点が特徴です。

Welcartでは、基本的なカート機能はもちろんのこと、会員登録機能、ポイント機能、クレジットカード決済、配送業者との連携など、ECサイト運営に必要な要素がひと通り揃っています。また、独自の拡張プラグインやテーマも多くリリースされているため、自社のショップに合わせて柔軟にカスタマイズができるでしょう。

WooCommerce

海外発のプラグインですが、グローバルで圧倒的なシェアを誇ります。日本語翻訳や国内向け決済への対応が進んでおり、大規模なECサイトにも耐えうる拡張性があります。プラグインやテーマが世界中で開発されているため、欲しい機能が見つけやすいのが利点です。ただし、海外ベンダーのサポートは英語が基本となる場合が多く、日本語ドキュメントが少ない点には注意が必要です。

アナリティクスツール(Google Analytics、Search Consoleなど)

コンテンツマーケティングを成功させるには、データ分析が欠かせません。代表的なのは以下の2つです。

Google Analytics

アクセス解析の定番ツールであり、無料で使えます。どのページが人気か、どの参照元から訪問しているか、ユーザーの滞在時間や直帰率など、サイト運営に必要なデータを幅広く取得できます。ECサイト向けには「Eコマーストラッキング」を設定することで、商品別の売上や購入経路を詳細に分析することも可能です。
トラッキングタグの出力には、Welcartの拡張プラグイン「WCEX Google Analytics4」が無料で利用できます。

Google Search Console

検索エンジンからどのようなキーワードで流入があるか、サイトのインデックス状況に問題がないかなどを確認できるツールです。こちらも無料で利用できます。記事の順位が上がりそうで上がらない場合、Search Consoleをチェックすることでヒントを得られることがよくあります。たとえば、クリック率が低い場合はタイトルやディスクリプションの改善を検討する、といった具体策が見えてきます。

運営で気をつけるポイント

ページ表示速度

ページ表示速度

ECサイトでは商品画像が多くなりがちなため、ページの読み込み速度が遅くなるケースが少なくありません。表示速度が遅いと、ユーザーが離脱しやすくなるだけでなく、SEO上の評価も下がります。以下のような対策が効果的です。

画像ファイルを圧縮し、最適なサイズでアップロードする

  • 画像形式の選択
    写真が中心の場合はJPEG、イラストやロゴなどはPNGという形で、目的に合った形式を選びます。とくに商品の質感が重要なECサイトの場合でも、JPEGの圧縮率を調整して高画質を保ちつつ、ファイルサイズを軽くする工夫が必要です。
  • リサイズの徹底
    撮影した画像をそのままアップロードすると、4Kなどの非常に大きなサイズになっている可能性があります。実際の表示領域に合わせてリサイズを行い、無駄に大きなファイルを読み込まないようにしましょう。
  • 画像圧縮プラグインの活用
    WordPressの場合、「Smush」「EWWW Image Optimizer」「ShortPixel」などのプラグインを使えば、アップロード時に自動で圧縮処理を行ってくれます。大量の画像を扱うECサイトほど、この機能は重宝します。

不要なプラグインを無効化・削除する

  • プラグインは厳選する
    WordPressはプラグインを増やすほどサイトが重くなるリスクがあります。機能が重複しているプラグインや、長期間更新されていないプラグインは思わぬエラーや表示速度低下の原因になりやすいです。
  • 定期的な棚卸し
    「一度試しに導入してみたまま放置」になっているプラグインはありませんか? サイトに負荷がかかるだけでなく、セキュリティ面でのリスクも高まります。定期的にプラグイン一覧をチェックし、不要なものは削除しましょう。
  • 代替手段を検討
    どうしても複数のプラグインを導入せざるを得ない場合は、より高機能なプラグインに一本化できないか、あるいはテーマ自体が標準搭載している機能を使えないか検討してみると良いでしょう。

キャッシュプラグインを導入して、読み込みを高速化する

  • キャッシュの仕組み
    キャッシュプラグイン(例:「W3 Total Cache」「WP Super Cache」など)は、動的に生成されるWordPressのページをあらかじめ静的ファイルとして生成・保存しておきます。ユーザーがアクセスするたびにサーバーが動的にページを作る必要がなくなるため、表示速度が向上しやすくなります。
  • 設定の最適化
    キャッシュプラグインには、HTML・CSS・JavaScriptの圧縮(ミニファイ)や、ブラウザキャッシュ設定など多機能が含まれています。むやみに全部を有効化すると逆効果になることもあるので、トラブルがないかテストしながら設定を調整しましょう。
  • CDNの利用
    グローバルに分散配置されたサーバーから、ユーザーに最も近いサーバーがコンテンツを配信する仕組み(CDN)を併用すると、アクセス元が遠い地域のユーザーでも表示速度を確保できます。
注意

キャッシュプラグインの利用には注意が必要

キャッシュプラグインは、個人情報漏洩の危険性があります。ただ有効化しただけでは他人の会員情報が見えてしまったりしますので、仕組みを熟知して利用しなくてはいけません。不安な場合は使用しない方がよいでしょう。

ホスティング環境を見直す(PHPバージョンの更新、サーバープランのアップグレードなど)

  • PHPのバージョンアップ
    現在のWordPressはPHP 7.4以上(可能であれば8.0や8.1など最新の安定バージョン)の利用を推奨しています。新しいバージョンほどパフォーマンスやセキュリティが向上します。サーバーコントロールパネルで簡単に切り替えできる場合もあるので、一度確認してみましょう。
  • サーバープランのアップグレード
    ユーザー数や商品点数が増え、アクセスが集中すると共用サーバーでは限界が来ることがあります。アクセス数が増えてきたら、VPSや専用サーバー、もしくは高速化オプションが用意されている上位プランへの移行を検討しましょう。
  • リソース管理
    一時的にアクセスが急増するセール時期やキャンペーン時期にサーバーが落ちてしまうと大きな機会損失になります。普段からサーバーのCPU・メモリ使用率をモニタリングし、余裕のある環境を維持することが大切です。

実際の運用では、新商品を追加するたびに大量の画像データをアップしてしまい、後からサイト全体が重くなるという事例はよくあります。そうした状況を未然に防ぐには、アップロードの際に自動で画像を圧縮・リサイズするプラグインを導入する、商品ページに使う画像のルールを社内で統一するなど、コンテンツ追加のフローそのものを見直すことが重要です。

また、カスタムフィールドの多用もデータベースが膨らみ表示速度を落とす一因となります。

コンスタントに売上を伸ばすには、長期的に見てユーザーがストレスなく利用できるECサイトであることが不可欠です。ぜひ上記の対策を参考に、快適な表示速度を保てる運営体制を整えてみてください。

モバイル対応とユーザーエクスペリエンス

モバイル対応とユーザーエクスペリエンス

近年ではスマートフォンを中心としたモバイル端末でECサイトを閲覧し、そのまま購入に至るユーザーが急増しています。コンテンツマーケティングにおいても、モバイルからの流入が大きな割合を占めるため、スマホユーザーがストレスなく情報にアクセスできる設計が非常に重要です。せっかく時間をかけて作り込んだ記事や動画、商品紹介ページなどのコンテンツも、モバイルで読みづらかったり、ボタンが押しにくかったりすれば、最後まで見てもらえず離脱されてしまいます。結果として、商品の魅力を十分に伝えられず、コンバージョンやリピート購入にも影響を及ぼす可能性があります。

コンテンツマーケティングでは、質の高い記事や商品紹介があって初めてユーザーの興味を引き、そのまま購入や問い合わせに進める流れを作ります。スマホ視点のレイアウトや操作性、情報の配置を意識した設計を徹底することで、ユーザーがコンテンツをストレスなく楽しみ、購買へとつなげる環境を整えましょう。結果的にリピーターも増え、コンテンツマーケティングの効果を最大化することができます。

リアルな運用課題と解決策

WordPressによるコンテンツマーケティング運用では、以下のような課題が考えられます。

  • プラグインの競合
    WordPressでコンテンツマーケティングを行う上で便利なプラグインは多数存在しますが、機能が重複していたり、お互いの処理を上書きし合ってしまうと「競合(コンフリクト)」が発生するケースがあります。以下は、実際によく見られる例の一部です。
  • SEOプラグインの競合
    「Yoast SEO」と「All in One SEO Pack」などを同時に有効化すると、メタタイトル・メタディスクリプションが重複して設定され、検索エンジンが混乱する可能性あり。
  • ソーシャルシェア系プラグインの競合
    「Jetpack」のソーシャルシェア機能と、別のシェアボタンプラグイン(例:ShareThisなど)を併用すると、ページの先頭や末尾にシェアボタンが二重表示され、見た目が崩れる可能性あり。
  • ビジュアルエディタ系プラグイン同士の干渉
    「Elementor」「Visual Composer」「Gutenberg拡張系プラグイン」など併用すると、各プラグインがページビルダーの編集画面を独自に作るため、コンフリクトを起こして編集ができなくなる可能性あり。
  • マーケティングオートメーション系とフォーム系プラグインの衝突
    「HubSpot」「Mailchimp」「Contact Form 7」「Gravity Forms」などを組み合わせて利用すると、フォーム送信時に双方が同じイベントをフックして処理しようとし、送信エラーや二重送信が起きる可能性あり。
  • スタッフのスキル不足
    ECサイトのコンテンツマーケティングにはSEOやアクセス解析などの専門知識が不可欠ですが、スタッフに十分なスキルが備わっていないと記事作成や分析が滞り、成果につながりにくいという課題があります。これに対し、社内勉強会やマニュアルの整備によるスキル共有・内製化を進め、誰が担当しても一定のクオリティを保てる仕組みを作ることが有効です。また、必要な部分だけ外部リソースを活用すれば、スタッフの負担を軽減しながら質の高いコンテンツを継続的に生み出すことも可能になります。

まとめ

WordPressだからこそ実現できるECサイトのコンテンツマーケティングには、非常に大きな可能性があります。商品を並べるだけのオンラインストアとは異なり、ブログ記事やお役立ち情報、専門家インタビューなど、多角的なコンテンツを発信しやすいWordPress環境は、ユーザーにとって「来る価値があるサイト」を作るのに適しているからです。

しかし、その一方で運用面の課題も多岐にわたります。プラグインの競合やセキュリティ対策、ページ速度の問題など、ECサイトとして機能を追加すればするほどメンテナンスが大変になることは避けられません。大切なのは、導入時から運用体制をしっかり整え、更新作業を継続できる仕組みを作ること、そして問題が起きたときにはスピーディに解決できるバックアップやサポート体制を用意することです。

今後の展望として、コンテンツマーケティングによって集まったユーザーを、コミュニティやSNSでつなぎとめ、ブランドのファンに育てていく戦略がより重要になっていくでしょう。商品を売るだけではなく、ユーザーが「またあのサイトに行きたい」「あの情報を参考にしたい」と思える仕組みを作るのが、長期的なブランディングや成長戦略のカギとなります。

WordPressによるECサイトは、単なる販売チャンネルを超えて、自社のメディアとしての役割も担わせることができます。自社のストーリーを語り、専門的な情報を蓄積し、ユーザーに価値を提供し続けることで、検索エンジンやSNSからの流入が増え、やがて大きな売上やリピーターにつながっていくはずです。ぜひ、コンテンツマーケティングを軸にしたWordPress ECサイト運営を検討してみてください。そうすれば、今まで気づかなかった多くのチャンスが見えてくるでしょう。

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